シャープは幕張メッセで開催された「デジタルサイネージジャパン(DSJ)2017」の同社ブースにおいて、インテルのカード型PCモジュール「Compute Card」を搭載したデジタルサイネージ向け液晶ディスプレー製品2機種を参考展示した。
ブースでは、「コントローラ内蔵ディスプレイ」と表記されているだけで、Compute Cardを採用していることなどは表記していなかった。同社によると、2017年8月にも正式発表を予定しており、9月から出荷を開始する予定だという。価格などについては未定としているが、液晶ディスプレーと既存PCとのセット提案よりも、3割程度安くなるとしている。
Compute Cardは先頃、台湾で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2017の基調講演で正式に発表されたもので、95×55×5mmというクレジットカードに近いサイズに、CPUやメモリー、SSD、ネットワーク機能などを搭載している。
Compute Cardをデジタルサイネージやキオスク端末、小型PCなどに挿入することでインテリジェント端末として利用できるようになるのが特徴。シャープのほかにも、LGディスプレイやデルなどが搭載製品を投入する計画を打ち出している。
Compute Cardに搭載されるCPUはいくつかの種類が用意されているが、シャープでは、最下位となるCeleron相当のCPUを搭載したカードを利用するという。
発売を予定している液晶ディスプレーは、40V型および50V型であり、Android OSを搭載し、それを処理するCPUユニットを搭載しているが、Windows環境でのコンテンツの製作や運用を可能にするために、Compute Cardを利用できるようにしたという。
同社ではすでに拡張ボードとして、Windows 10 IoT Enterprise 2015 LTSBを搭載したコントローラーボードや、LANケーブル1本でHDMIの映像および音声信号や制御信号を最長100m伝送できるHDBaseT受信ボード、ディスプレーにワイヤレス接続機能を追加できるワイヤレスボードを提供している。だが、内蔵モデルとは別に新たな形のコントローラーボードとして、Compute Cardを追加する。
「店舗に設置したデジタルサイネージを、ローカルで運用処理をしたり、コンテンツをスムーズに動作させるために、コントローラーを内蔵させることになる」(シャープ ビジネスソリューション事業本部ビジュアルソリューション事業部国内営業部・高森 仁志部長)とする。今後はエッジコンピューティングとしての活用も見込まれそうだ。
なお、発売する液晶ディスプレーには、シャープ独自のデジタルサイネージソフト「e-Signage」のビューア版を標準搭載する。